【Chilli】サーフボード全13モデルを比較|おすすめはどれ?違いと選び方

  • Chilliのサーフボードはモデルが多くて、どれを選べばいいかわからない
  • ショートボードとツインフィン、ミッドレングスで何が違うのか知りたい
  • 自分のレベルやホームの波に合うChilliのモデルはどれ?

「Chilli(チリ)」は1997年創業のサーフボード製造を主力とするオーストラリアのメーカーで、トッププロから一般サーファーまで支持される、世界王者の使用実績を持つサーフボードブランドです。チームライダーとの実戦テストを重ねて煮詰めるシェイプと、オリジナルのグラスクロスを使った丈夫な作りに定評があります。

サーフボードは自分のレベルや波のサイズに合わないモデルを選んでしまうと、パドルやテイクオフのしやすさ、ライディングの上達ペースにも影響します。限られた時間で多くの波に乗るためにも、サーフボードは各モデルの性能や特徴の違いを理解して選ぶことが大切です。

この記事では、Chilliの特徴や独自テクノロジーをわかりやすく解説し、現行のサーフボードを全モデル比較します。波のサイズやレベル別のおすすめモデルも紹介しますので、Chilliのサーフボードが気になっている人はぜひチェックしてください。

タップできる目次

Chilliとはどんなサーフボードブランド?特徴と評判を紹介

Chilliとは、1997年にオーストラリア・シドニーのBrookvaleで生まれたサーフボードブランドで、アンディ・アイアンズが世界タイトルを獲得したシーズンに使用した実績があります。現在は小波用のショートボードからステップアップ(大波に備えて長さと浮力を増やしたボード)まで、幅広いモデルを展開中です。

ショートボードとロングボードの中間の長さにあたるミッドレングスも、Chilliの人気カテゴリーです。公式サイトは本国オーストラリアに加えてアメリカやヨーロッパ、日本、バリ、ブラジル、チリの地域ページを持ち、Chilliのサーフボードは世界各地のサーファーに選ばれています。

Chilliの歴史・創業背景

Chilliの創業者でシェイパーのJames(Jamie)Chealは、13歳のときにゴールドコーストのグリーンマウントで初めてのトップターンを決め、以来ほぼ毎日海に入り続けてきたサーファーです。10代後半にシドニーへ移り、サーフボード工場でサンディングや掃除をこなしながらボード作りの現場を学びました。

Chealが初めてサーフボードを削ったのは1995年、22歳のときです。本人は最初の1本を「まぐれだった」と振り返り、続けて削った約20本は思うように走らなかったものの、シェイプを諦めずに続けた結果、2年後にBrookvaleの小さな工場でChilli Surfboardsが誕生しました。

Chilliのボードは年を追うごとに需要が伸び、オーストラリアのトップサーファーが試合で勝つようになると、ワールドツアーの選手からもオーダーが届き始めます。2004年には、故アンディ・アイアンズが3度目の世界タイトルを獲得したシーズンにChilliのサーフボードを使用しました。

Chilliのブランドコンセプト

Chilliは「Chilli plays a game of details(Chilliは細部で勝負する)」を掲げるサーフボードブランドです。Colan Products製のカーボンウィーブやQRの識別コード、ボトムに入るシグネチャーラインまで、厳選した素材とパーツ以外はボードに使わない姿勢を打ち出しています。

創業者のChealは、世界のトップサーファーが自分のボードに乗る姿と同じくらい、一般のサーファーがChilliのボードに乗ることを誇りに思うと語っています。Chilliが初心者向けからエキスパート向けまでモデルをそろえているのも、あらゆるサーファーに合うサーフボードを届けたいという考えからです。

トッププロ向けのハイパフォーマンスモデルに加えて、小波用やミッドレングスまで同じブランドで選べるため、Chilliはレベルの変化に合わせてサーフボードを乗り継ぎたいサーファーにも向いています。

Chilliの特徴・強み

Chilliの大きな強みは、新しいモデルをすぐに市販せず、チームライダーによる実戦テスト「Project Black」を経てから発売する開発姿勢です。公式サイトでも「心から誇れるもの以外はリリースしない」と明言しており、納得できるまで改良を重ねてからサーフボードを市場に出しています。

開発に関わるライダーの顔ぶれも、Chilliの特徴です。Adriano de SouzaがWSLチャンピオンシップツアー最後の年に「SHORTIE」の熟成に携わったほか、体格の大きいJay Daviesとは「Faded 2.0」を共同で設計しました。

評判の面では、乗りやすさとパフォーマンスの両立が高く評価されています。ブランド名を伏せてプロが試乗する2021年の企画「Stab In The Dark」では、Jack RobinsonがChilliの「SHORTIE」を「考えずに飛び乗ってサーフィンできる、乗りやすいボード」と評しました。

Chilliの日本での取扱い

Chilliのサーフボードは、公式サイトに日本向けのページが用意されており、国内の取扱店(サーフショップ)を通じて購入できます。日本の正規代理店経由で入荷したストックボードを扱うショップのほか、お取り寄せやカスタムオーダーに対応するショップもあります。

在庫状況やカスタムオーダーの納期は取扱店ごとに異なるため、Chilliのサーフボードを検討する際は、購入前に近くの取扱店へ問い合わせておくと安心です。公式サイトには取扱店を探せるShop Locatorも用意されています。

Chilliの機能とテクノロジー

ここでは、Chilliのサーフボードに採用されている独自の開発プログラムと、素材や構造のテクノロジーを解説します。モデル選びとあわせて構造の違いを押さえておくことが、Chilliのサーフボードを好みの乗り味に近づける近道です。

Chilliの構造は、標準のPU(ポリウレタンフォームとポリエステル樹脂を使う従来型)と、EPS(発泡ポリスチレンのコアとエポキシ樹脂を使う軽量型)の2系統に分かれます。Chilli独自のTwin TechとCarbon Black Spiceは、EPS系の上位構造にあたります。

Chilliのサーフボードを支える独自プログラムとテクノロジーは、以下の5つです。

  • Project Black|チームライダーと磨き上げるR&Dプログラム
  • Twin Tech|Twin Carbonが反発を生むEPS/エポキシ構造
  • Carbon Black Spice|全モデルに適用できるフルカーボンラップ
  • Innegra S Cloth|しなって折れにくいオリジナルクロス
  • The Line|Colan製ダブルツイストウィーブの証

Project Black|チームライダーと磨き上げるR&Dプログラム

Chilliの「Project Black」は、新モデルの候補をチームライダーに渡し、あらゆるコンディションでテストしてもらう研究開発プログラムです。トップレベルのサーファーから得たフィードバックをもとに、Chilliはシェイプを修正してサーフボードの完成度を高めています。

Project Blackのボードには決まった形がありません。Chilliはコンケーブ(ボトム面のくぼみ)やVee(ボトム面を浅いV字に傾けた形状)に加え、ロッカー(ノーズからテールにかけての反り)やアウトライン、レール(ボードの側面の縁)、テールの形まで、組み合わせを変えながら検証を重ねます。

素材の面でも、ChilliはInnegra S Clothやカーボンファイバー、密度の異なるフォームを試し、心から納得できたものだけを市販します。トップサーファーが実際の波で確かめた設計を一般のサーファーも手に入れられる点が、Project Black発のモデルを選ぶメリットです。

Twin Tech|Twin Carbonが反発を生むEPS/エポキシ構造

Chilliの「Twin Tech」は、ストリンガー(ボード中央を縦に通る補強材)のない36gのEPSコアに、独自設計の「Twin Carbon」テープを組み合わせたEPS/エポキシ構造です。従来のストリンガー入りサーフボードに近いしなりを再現しつつ、毎回のセッションで新品のような反発を味わえるよう設計されています。

Twin Techの強度の大部分を担うのは、デッキとボトムの中央を縦に走るTwin Carbonテープです。Chilliはデッキに4オンスのグラスと220gのバイアックスクロスを、ボトムにはシグネチャーラインが入った4オンスのグラスを重ね、スピードを引き出す反発と予測しやすい挙動を両立させました。

Chilliでは現行ラインナップの全モデルをTwin Tech仕様でカスタムオーダーでき、PUより少し浮力が増すものの、寸法は普段どおりで選べば問題ありません。一方で熱と直射日光には弱いため、車内や日なたに放置せず、穴や亀裂ができたらエポキシ樹脂ですぐに修理することが大切です。

Carbon Black Spice|全モデルに適用できるフルカーボンラップ

Chilliの「Carbon Black Spice」は、軽量なEPSコアとEPSストリンガーを、ボトムからレールまで包むフルカーボンラップで仕上げた上位構造です。単独のモデルではなく、Chilliの既存モデルすべてに追加できるプレミアムなアップグレードとして用意されています。

フルカーボンラップの役割は、バネのようにエネルギーをため込んでから放出し、ボードのしなりと戻りを細かくコントロールすることです。Chilliはカーボンによってターン後の加速やリップでの反発を高めつつ、外殻を強くして凹みにくくし、荒れた波面でのバタつき(チャタリング)も抑えるとしています。

ボトムとレールがブラック、デッキがホワイトという精悍な見た目もCarbon Black Spiceの特徴です。スピードと反発を重視しながら耐久性も欲しい中級者〜上級者にとって、Chilliのお気に入りモデルを一段引き上げる選択肢になります。国内でのオーダー可否は取扱店に確認すると確実です。

Innegra S Cloth|しなって折れにくいオリジナルクロス

Chilliの「Innegra S Cloth」は、4オンスのグラスファイバーとInnegra S繊維を織り合わせたChilli独自のクロスです。Innegraは白色で軽量な補強繊維で、ボードを硬くするカーボンファイバーと違い、自然なしなりを残せます。

Chilliはサイドフィンボックスから真上に向けて左右6本ずつ、ストリンガー沿いに2本、合計14本のInnegra S繊維をクロスに織り込んでいます。強い圧力がかかったとき、通常なら折れやクリース(折れジワ)が起きる手前までしなってから元に戻るため、サーフボードの破損を防ぎやすい構造です。

身長6’1″(約185cm)、体重90kgでボードへの負担が大きいチームライダーのJay Daviesは、Innegra S Clothの採用によって破損が80%減りました。パワーのあるサーファーや、1本のボードを長く使いたいサーファーにとって、Chilliの丈夫さを支える心強い仕様です。

The Line|Colan製ダブルツイストウィーブの証

Chilliのサーフボードのボトムに走る黒いラインは「The Line」と呼ばれ、Colan Products Australiaと開発したChilli独自のダブルツイスト織りグラスクロスを使っている目印です。糸を二重に撚った織りによって、通常より強いグラス層を形成しています。

The Lineは見た目のアクセントであると同時に、Chilli正規品の証明も兼ねています。購入時にボトムの黒いラインを確認すれば、正規品かどうかを見分ける手がかりになるのも利点です。

Colanとはカーボンウィーブも共同で設計しており、Chilliはテールのレールラインに対して横向きにカーボンを走らせています。テール本来のしなりを残しながらボードを保護する、細部まで素材を選び抜いた設計です。

Chilliの全モデルの種類を比較

ここでは、国内で入手できるChilliの現行サーフボードの種類と違いを解説します。比較表に続いて、プレミアムパフォーマンスからステップアップ、オールラウンド、小波用とツインフィン、ミッドレングスの順に各モデルの詳細を紹介します。

スクロールできます
モデル名 位置づけ テール形状 フィン仕様 対象レベル 対応波サイズ
A2 プレミアムパフォーマンス スカッシュテール トライ(3本) 中級者 4-6ft
SHORTIE プレミアムパフォーマンス ラウンドピンテール トライ(3本) 中級者〜上級者 3-6ft
Faded 2.0 プレミアムパフォーマンス ラウンドピンテール 5本(トライ/クアッド) 中級者〜上級者 3-8ft
FAD3R ステップアップ/ガン ラウンドピンテール 5本(トライ/クアッド) 中級者〜上級者 3-10ft
Rare Bird EVO オールラウンダー サムテール 5本 初級者〜上級者 1-8ft
Churro 2 オールラウンダー ラウンドスクエアテール トライ(3本) 中級者〜上級者 2-5ft
HKII サマー スワローテール トライ(3本) 初級者〜上級者 〜4ft
Piña Colada サマー ウィングスワローテール ツイン+スタビライザー(3本) 初級者〜上級者 〜4ft
Peppa Twin ツインフィン スワローテール ツイン(2本) 中級者〜上級者 2-6ft
Sugar ツインフィン フィッシュテール ツイン(2本) 初級者〜上級者 〜4ft
Full Strength ミッドレングス ラウンドピンテール 5本 中級者〜上級者 3-10ft
Middy オールラウンダー ラウンドピンテール 5本 初級者〜中級者 〜6ft
Mid Strength ミッドレングス ラウンドピンテール 5本 初級者〜中級者 〜6ft

A2

A2の製品画像

項目 内容
モデル名 A2
テール スカッシュテール
レール ミディアムレール
ボトム シングルコンケーブ
フィン仕様 トライ(3本)

「A2」は、アンディ・アイアンズが2003〜2004年に愛用した「A2 Curve」の設計データを、Chilliが現代のアウトラインとコンケーブで復刻したプレミアムパフォーマンスモデルです。2003年作成のCADファイルを掘り起こし、Project Blackで1年ほど調整を重ねて市販されました。

設計面では、穏やかなロッカーにシングルコンケーブと、テールリフト(テール付近の反り上がり)を入れたタイトなスカッシュテール(角を落とした四角いテール)を組み合わせています。Chilliの「A2」は強く踏み込むほど反応し、掘れたセクションでも正確にドライブしながら、ターン中はレールが滑らかに入るショートボードです。

フィンは3本のトライフィン仕様で、公式の対応波サイズは4〜6ft、対象レベルは中級者に設定されています。小波で気軽に流すより、パワーのある波でレールを入れて攻めたいサーファーに向けて、Chilliがプレミアムパフォーマンスとして送り出すおすすめのショートボードです。

SHORTIE

SHORTIEの製品画像

項目 内容
モデル名 SHORTIE
テール ラウンドピンテール
レール ミディアムレール
ボトム シングルコンケーブ
フィン仕様 トライ(3本)

「SHORTIE」は、「ユーザーフレンドリー」と「ハイパフォーマンス」の両立をテーマに、シェイパーのJames Chealが設計したChilliのパフォーマンスショートボードです。2021年にはチャンピオンシップツアー最終年のAdriano de Souzaとチームが乗り込み、実戦のなかで熟成させました。

ノーズからテールまでバランスを取ったロッカーが広いスイートスポット(安定して乗れる範囲)を作り、モデレートなシングルコンケーブがスピードを生みます。Chilliはストリンガーライン上に余分なフォームを持たせてパドル性を高め、セミラウンドピンテールで高速域でもポケットでのコントロールを保てるようにしました。

公式は3〜6ftの良い波で乗るモデルと位置づけており、海外のサーフトリップや冬の波、地元の波が上がった日の1本として活躍します。ショートボードの操作性を保ちながら、考えすぎずに乗れるChilliのボードを探している中級者〜上級者におすすめです。

Faded 2.0

Faded 2.0の製品画像

項目 内容
モデル名 Faded 2.0
テール ラウンドピンテール
レール ロー/ミディアムレール
ボトム シングル〜ダブル+Vee
フィン仕様 5本(トライ/クアッド)

「Faded 2.0」は、チームライダーのJay Daviesと設計した、掘れた重い波のためのChilliのプレミアムパフォーマンスモデルです。「良い波用の1本」を目指しており、ステップアップのようにパドルでき、ショートボードのように乗れる性格を持っています。

ボリュームのあるフルなノーズでパドル力を確保し、シングルからダブルコンケーブ、テールのVeeへと続くボトムで速いチューブでもホールドを保つ設計です。フィンは5本(トライフィンとクアッドを付け替えられる配置)で、クアッドにするとスピードと強いホールド感が得られるとChilliは説明しています。

対応波サイズは3〜8ftと幅広く、コスタリカから西オーストラリアまで各地の波でテストされました。海外遠征や地元のビッグデイに備えて、パワーのある波で安心して乗れるChilliのサーフボードを探す中級者〜上級者に、自信を持っておすすめできるモデルです。

FAD3R

FAD3Rの製品画像

項目 内容
モデル名 FAD3R
テール ラウンドピンテール
レール ロー/ミディアムレール
ボトム シングル〜微ダブル
フィン仕様 5本(トライ/クアッド)

「FAD3R」は、旧モデル「Fader」の滑らかな滑走性と汎用性を受け継ぎつつ、パフォーマンスとパドル力を高めたChilliのステップアップモデルです。旅先に何本もボードを持っていけないときに、中サイズの波から海外のヘビーな波までを1本でカバーする役割を担います。

Chilliはアウトラインとボリューム配分を見直して必要な位置に浮力を持たせ、テイクオフを楽にしました。シャープなレールとダイナミックなロッカーラインでポケット内の切り返しも速く、ボトムはシングルからわずかなダブルコンケーブ、フィンは5本仕様です。

開発にはパイプラインのMoanaやチョープーのBalaram、オーストラリアのWQSを戦うKobiとSaxonが関わり、普段のショートボードでは波が大きすぎるときに手に取るChilliのボードとして磨かれてきました。公式の対応波サイズは3〜10ftです。

Chilliは「FAD3R」を普段のショートボードより長さとボリュームを少し上げて選ぶよう推奨しており、普段29Lに乗っているなら6’1″・30.5Lが目安になります。サイズアップした波に備えてステップアップを1本持っておきたい中級者〜上級者には、とくにおすすめです。

Rare Bird EVO

Rare Bird EVOの製品画像

項目 内容
モデル名 Rare Bird EVO
テール サムテール
レール ミディアムレール
ボトム シングル〜ダブル+Vee
フィン仕様 5本

「Rare Bird EVO」は、Chilliが「最高のオールラウンドボード」と呼ぶ「Rare Bird」をアップデートしたモデルです。小波でのカービングから頭を超えるバレルまで1本でこなす万能型のサーフボードで、公式では「BV2」と「SHORTIE」の中間に位置づけられています。

Chilliはシングルからダブルコンケーブ、テールのわずかなVeeという初代のボトムを受け継ぎながら、アウトラインを調整して小波でもうねりのある波でも動きやすくしました。レールを少し洗練させ、プルインしたモダンなサムテール(親指の先のように丸みを持たせたテール)で精度を高めつつ、初代の寛容さも残しています。

フィンは5本仕様で、Chilliは同じシェイプをEPSのTwin Tech構造で仕上げた「Rare Bird EVO TT」もラインナップしています。推奨サイズは旧「Rare Bird」と同じ長さか、普段のショートボードより2〜4インチ短めです。

公式の対象レベルは初級者〜上級者、対応波サイズは1〜8ftと、Chilliの現行ラインナップでも特に守備範囲が広く設定されています。1本のサーフボードで幅広いコンディションに対応したいサーファーには、最初に検討してほしいおすすめモデルです。

Churro 2

Churro 2の製品画像

項目 内容
モデル名 Churro 2
テール ラウンドスクエアテール
レール ミディアムレール
ボトム シングル〜微ダブル
フィン仕様 トライ(3本)

「Churro 2」は、人気モデル「Churro」をアップデートした、Chilliの「デイリードライバー」です。2ftのジャンクな波から5ftの良い波まで、ビーチブレイクからロングポイントまでの日常のコンディションを1本でつなぐ小波パフォーマンスモデルとして設計されています。

Chilliは初代よりノーズとテールを少し絞ってヒップとショルダー(アウトラインの角張った部分)をなくし、引っかかりの少ない乗り味に仕上げました。ワイドポイントをボード中央付近に置いて広いスイートスポットを作り、幅を残したラウンドスクエアテールでスローなセクションも抜けていけます。

ロッカーは適度なエントリーとフラット気味のセンター、適度なテールという寛容な組み合わせで、波のフェイスを横へ走るスピードを出しやすい設計です。ボトムはシングルからごくわずかなダブルコンケーブで、どんな波でもChilliらしい扱いやすさを保ちます。

Project Blackの開発過程では、立ちすぎず寝すぎない中間的なフィンテンプレートとの相性の良さも確認されました。日本のビーチブレイクで毎日のように使えるパフォーマンス寄りのサーフボードを探している中級者〜上級者に、Chilliの「Churro 2」をおすすめします。

HKII

HKIIの製品画像

項目 内容
モデル名 HKII
テール スワローテール
レール ミディアムレール
ボトム シングル〜ダブル+Vee
フィン仕様 トライ(3本)

「HKII」は、Chilliの人気モデル「Hot Knife」を受け継いでアップデートした、ステップダウン(普段より短く幅広に乗る小波向け)系のショートボードです。国内では「ホットナイフ2」とも呼ばれ、どんなコンディションでも扱いやすい寛容さと、スピードやコントロールを両立しています。

アウトラインは前方がややフルなクラシックなショートボード形状で、Chilliはフィン周りのヒップを取り除いてレールからレールへの切り替えを滑らかにしました。テール側のストレートなレールでスピードを伸ばし、プルインしたスワローテール(燕の尾のように切れ込んだテール)でタイトなターンにも対応します。

やや平らなエントリーロッカーは、フラットセクションで失速しにくいよう「Hot Knife」から引き継いだChilliの設計です。ノーズのシングルから足元のダブル、テールのVeeへと変化するボトムが、テイクオフの速さと寛容なレールの切り替えを両立させています。

公式の対応波サイズは4ftまでの小波で、対象レベルは初級者〜上級者と幅広く設定されています。小波でもショートボードらしい操作感を保ちながら楽に乗りたいサーファーには、Chilliの「HKII」がおすすめです。

Piña Colada

Piña Coladaの製品画像

項目 内容
モデル名 Piña Colada
テール ウィングスワローテール
レール ミディアム/フルレール
ボトム –
フィン仕様 ツイン+スタビライザー(3本)

「Piña Colada」は、夏のゆるい波やポイントブレイクに楽しさを取り戻すことをテーマに、Chilliが開発したSummerカテゴリのサーフボードです。テール周りはクラシックなツインフィン時代から着想を得ており、現代的なパフォーマンス性と組み合わせています。

Chilliはボード全体に面積を持たせてデッキをフラットにし、レールラインを低く抑えました。ワイドなノーズはパドルとフラットセクションの押し切りを助け、シングルフライヤー(アウトラインにつけた段差)から細めのウイングスワローテールへとカーブを描くことで、ポケットでも動けます。

フィンはツイン+スタビライザーが推奨で、フィンの組み合わせ次第でほぼすべてのコンディションに対応するとChilliは説明しています。サイズは希望ボリュームより3〜4L多めか、普段のショートボードより3〜5インチ短めが目安です。

公式の対応波サイズは4ftまでで、対象レベルは初級者〜上級者です。張りの弱い夏の小波を軽快に走り回りたいサーファーに、Chilliの「Piña Colada」をおすすめします。

Peppa Twin

Peppa Twinの製品画像

項目 内容
モデル名 Peppa Twin
テール スワローテール
レール ミディアム/フルレール
ボトム フラット+フィン周りVee
フィン仕様 ツイン(2本)

「Peppa Twin」は、Project Blackで18か月にわたってロッカーやアウトライン、ボトムを試行した末に生まれた、Chilliのトップ・オブ・ザ・ラインのパフォーマンスツインフィンです。2〜6ftの波をフロントサイドでもバックサイドでもカバーし、公式は中級者〜上級者向けとしています。

ロッカーはエントリーが適度で中央がバランスの取れたカーブ、テール側は比較的フラットです。Chilliのツインフィンらしく、前足に体重をかければ一気に加速し、後ろ足に移せばターンでテールがリリースされて向きを変えられます。

ボトムは前2/3が比較的フラットで、フィン周りのVeeによりレールの切り替えが容易です。ミディアム幅のスワローテールは強く踏み込んでもホールドし、Chilliは乗り手を選ばない扱いやすさとパフォーマンスを1本にまとめました。

レール際までフォームを残したフラットなデッキも特徴で、短いボードでも浮力を確保して波数を増やせます。ツインフィンならではのスピード感を、パフォーマンスを落とさずに楽しみたい中級者〜上級者におすすめのChilliのサーフボードです。

Sugar

Sugarの製品画像

項目 内容
モデル名 Sugar
テール フィッシュテール
レール ローレール
ボトム –
フィン仕様 ツイン(2本)

「Sugar」は、レトロな見た目にモダンなアレンジを加えた、Chilliのツインフィンモデルです。ストレートなアウトラインで長く速いラインを描き、リップでのアクションもしっかりこなします。

Chilliはビークノーズ(先端をくちばしのように尖らせたノーズ)で前方にフォームを残してパドル力を高め、テール側はしっかり薄く削り込んでパフォーマンスを確保しました。ローレールが波のフェイスに食いつき、深さ3.5インチのスワロー/フィッシュテールは幅を持たせることで、フラットセクションでもスピードを保ちます。

フィン位置は、大きめのツインフィンやツインキール(面積の大きいキール型フィン)を想定した伝統的なツイン配置です。公式の対応波サイズは4ftまでで、Chilliの「Sugar」は小波でクラシックなツインの乗り味を楽しみたい初級者〜上級者におすすめできます。

Full Strength

Full Strengthの製品画像

項目 内容
モデル名 Full Strength
テール ラウンドピンテール
レール ロー/ミディアムレール
ボトム –
フィン仕様 5本

「Full Strength」は、James Chealが息子とのインドネシア・メンタワイ諸島への旅をきっかけに開発した、Chilliの次世代ミッドレングスです。人気の「Mid Strength」の長所を残しつつ、よりプログレッシブなアウトラインに仕上げています。

Chilliは「Mid Strength」と比べてノーズを1/8インチ絞って前方の抵抗を減らし、テールも細くしたラウンドピンでショートボードに近い感覚を持たせました。レールは低く、デッキはより丸みを帯びた形状にしたことで、速い波のフェイスでもレールがしっかり食いつきます。

ロッカーとボトムは「Mid Strength」を踏襲しているため、パドルのしやすさは変わりません。シェイパー本人はメンタワイで6’6″を3〜6ftの波で万能に使える1本と評価しており、Chilliの公式図では3〜10ftの波に対応しています。

「Mid Strength」の乗りやすさを気に入っていて、サイズのある良い波でもパフォーマンスを求める中級者〜上級者におすすめのミッドレングスです。サイズはChilliの「Mid Strength」と同じ長さか、2インチ短めが目安になります。

Middy

Middyの製品画像

項目 内容
モデル名 Middy
テール ラウンドピンテール
レール ロー/ミディアムレール
ボトム シングル〜ダブル(側フィン)
フィン仕様 5本

「Middy」は、「Mid Strength」のカスタムオーダーで要望の多かった5’10″〜6’4″の短いサイズを独立させた、Chilliのオールラウンダーです。胸の下に十分なボリュームがあるためパドル力が高く、コンパクトな長さで運動性をさらに高めています。

ノーズはパドルを助けるやや丸みのある形で、足元でカーブを強めたアウトラインが後ろ1/3へとつながります。Chilliはボトムを前方の軽いシングルコンケーブから、サイドフィン周りで深いシングル/ダブルコンケーブへと変化させ、後ろ足の下で動きを軽くしました。

テールに立てば小さな半径でクイックに回り、体重を前に移せば波のフェイスを一気に走れます。ショートボードに近い長さで波数を増やしたい初級者〜中級者や、体力的に楽をしたいベテランサーファーにおすすめのChilliのサーフボードです。

Mid Strength

Mid Strengthの製品画像

項目 内容
モデル名 Mid Strength
テール ラウンドピンテール
レール ロー/ミディアムレール
ボトム シングル〜ダブル(側フィン)
フィン仕様 5本

「Mid Strength」は、2018/19年の夏に膝のケガで普段のショートボードに思うように乗れなかったJames Chealが、「楽にパドルして波をつかまえ、力まずに乗れるボード」として生み出したChilliのパフォーマンス・ミッドレングスです。

低めのエントリーロッカーでパドルが速く、ミディアムのテールロッカーでターンにも反応します。カーブの強いアウトラインとソフトなラウンドテールにより、Chilliのミッドレングスは長めのボードでもスムーズで寛容なターン弧を描け、長くまっすぐな乗り味になりにくい点が持ち味です。

フィンは5本仕様で、ChilliのTwin Tech公式ページでも代表モデルとして紹介されています。Twin Tech仕様で楽に波をつかまえたい場合は、ボリュームを増やしてオーダーするのがChilliの推奨です。

波に立って横へ走れるサーファーなら誰でも検討の対象になり、とくに年齢や体力の変化、海に行く頻度の減少でボードに仕事をしてほしいサーファーに、Chilliの「Mid Strength」をおすすめします。

まとめ

この記事では、オーストラリア発のサーフボードブランドChilliの歴史や独自テクノロジーを解説し、国内で入手できる現行モデルを比較しました。ChilliはシェイパーとチームライダーがProject Blackで磨いたモデルだけを発売しており、波やレベルに合わせて選べるラインナップがそろっています。

サイズのある良い波で攻めるなら「A2」「SHORTIE」「Faded 2.0」「FAD3R」、1本で幅広い波に対応したいなら「Rare Bird EVO」「Churro 2」がChilliのサーフボードの有力候補です。

小波の楽しさを重視するなら「HKII」「Piña Colada」「Peppa Twin」「Sugar」、楽に波数を増やしたいなら「Full Strength」「Middy」「Mid Strength」を中心に選ぶと、Chilliのモデル選びで迷いません。

ボリューム選びに迷ったら、Chilli公式サイトのVolume Calculatorで目安を調べてから国内の取扱店に相談すると安心です。構造も標準のPUに加えてTwin Techを選べるため、軽さや反発の好みに合わせてサーフボードを仕上げられます。

自分のレベルとホームポイントの波に合うモデルを1本決めたら、国内の取扱店でストック在庫やカスタムオーダーを相談してみるのがおすすめです。この記事が、Chilliのサーフボード選びの参考になれば嬉しいです。

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この記事を書いた人

学生のころからサーフィンに親しみ、これまで複数ブランドのボードを実際に購入し、波のコンディションごとに乗り比べてきました。各モデルの形状や浮力、選び方の違いを実購入者の目線で整理し、何を基準に選べばいいか迷う方に向けて『サーフセレクト』を運営しています。

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